橋立堂は高さ80mもある直立した断崖絶壁の岩山の下に食い込むように建てられた札所で裏側は橋立岩かげ遺跡となっており縄文時代草創期から古墳時代後期まで使用されていたことがわかっているそうです。奥の院の橋立鍾乳洞が有名なこともありここの札所の周りには食事や土産のお店がありますので、巡礼でなくとも楽しめる観光地ではないでしょうか。
縁起について
その昔この地に惨酷非道、仏神の信心なき領主、領地をみまわり、銅をもって鋳し地蔵菩薩像を里人崇敬し得るをみて、仏神の益何事あろうと、打ちこわしその財を己れに費やせば、領主たちまち病に死し、その子孫すべて跡方もなく消えたという。
まもなく大蛇出て里の憂いとなり、里人は一心に当山に祈ればいづくなく白馬現われ心よげに走り大蛇この馬を一口に呑まんとするに、白馬の額より光明をさせば、たちまち大蛇人語を発し「吾先に死し領主なりいままさに仏知にひかれた得脱を得たり、吾この姿を末代にとどめて衆生の信心をはげまさん」と池中より出れば金鱗変じて石と成り、白馬は本尊の御帳に走り入りたという縁起があるそうです。
橋立堂について
日本百観音霊場で馬頭観世音を本尊とするのは、西国二十九番の松尾寺と橋立堂のみで弘法大師が止錫して柚の老木をもって刻んだと伝えられています。武甲山西麓の切り立った岩屋に御堂があり奥の院は橋立鍾乳洞で知られています。
橋立堂の見どころ
橋立堂境内案内図
観音堂
観音堂は三間四面、宝形屋根朱塗りで江戸中期になるものといわれています。
本尊は木造寄木造の馬頭観世音坐像で、像高26.5cmの漆箔三眼三面六臂の像の姿はひきしまっており、鎌倉時代の作と言われています。秩父札所の中で馬頭観音を本尊としているのはここだけです。
回廊にはいくつかの 馬の絵が奉納されています。
堂内中央に厨子、その前に馬頭観音があり両脇には馬頭観世音宝前と書かれた提灯が下げられ天井には千社札がたくさん貼られています。また、左の壁には奉納されたであろう馬の絵がたくさん飾られています。
馬堂
堂内には、 馬の親子のような像が安置されています。
お堂
観音堂左手にも 観音様を祀ったお堂があります。
奥の院
橋立鍾乳洞内は撮影禁止となっています。
奥の院となっている橋立鍾乳洞の内部は「えっ」と思わせるほどかなり狭いところが多く出口にたどり着くまで結構大変でした。先に入られた方で赤ちゃんを抱っこしていたご夫婦がいましたが、かなり困難のようでした。
観音霊験記と御朱印
郡司報蛇身
郡司に悪業有り
此の寺に一度上げし燈明の功徳によりて地獄に落ちず大蛇に転ぜられ然れども此の地に悪龍出て人馬を喰ふので村民此の堂に祈念したれば御堂の内より観音の化身白馬となりて出現以来此の地平穏となる
墨書き 石龍山、馬頭尊 橋立堂
宝印 蓮華座に火炎宝珠 梵字は馬頭観音の種子「ウン」
※およそ12月初旬〜2月末日まで、納経(朱印)は札所27番大淵寺でおこなうようですので事前にご確認を。
寺院情報
宗派 | 曹洞宗 |
山号 | 石龍山 |
寺院名 | 橋立堂 |
御本尊 | 馬頭観世音坐像 |
御真言 | おん あみりと どはんば うん はった そわか |
御詠歌 | 霧の海 たちかさなるは 雲の波 たぐいあらじと わたる橋立 |
住所 | 埼玉県秩父市上影森675 |
電話 | 0494-24-5399 |
駐車場
手前にある無人駐車場は有料で車のナンバーを書いてお金を入れますが、道路を奥まで行くと数台駐車できる無料駐車場があります。
お手洗い
休憩所
- 札所 1番 四萬部寺
- 札所 2番 真福寺
- 札所 3番 常泉寺
- 札所 4番 金昌寺
- 札所 5番 語歌堂
- 札所 6番 卜雲寺
- 札所 7番 法長寺
- 札所 8番 西善寺
- 札所 9番 明智寺
- 札所10番 大慈寺
- 札所11番 常楽寺
- 札所12番 野坂寺
- 札所13番 慈眼寺
- 札所14番 今宮坊
- 札所15番 少林寺
- 札所16番 西光寺
- 札所17番 定林寺
- 札所18番 神門寺
- 札所19番 龍石寺
- 札所20番 岩之上堂
- 札所21番 観音寺
- 札所22番 童子堂
- 札所23番 音楽寺
- 札所24番 法泉寺
- 札所25番 久昌寺
- 札所26番 円融寺
- 札所27番 大淵寺
- 札所28番 橋立堂
- 札所29番 長泉院
- 札所30番 法雲寺
- 札所31番 観音院
- 札所32番 法性寺
- 札所33番 菊水寺
- 札所34番 水潜寺
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