秩父札所一番 四萬部寺

秩父三十四箇所札所巡りの一番最初に訪れるお寺ですね。このお寺は見どころが豊富ですので多めに時間をとりたいところです。
正式名の誦経山四萬部寺は「ずいきょうさんしまぶじ」と読みます。
秩父札所巡りの最初のお寺に見どころがたくさんあるので、この先どんなお寺があるのかと、わくわくさせてくれます。

本堂廊下

四萬部寺しまぶじチェックポイント

御朱印目的だけで訪れると見ておきたいところに気付かず帰ってしまいます。
四萬部寺で是非見てほしい場所や建物をリストアップしましたので拝観の参考にしてください。

四萬部寺について

 この四萬部寺は妙音寺とも称して、秩父34観音霊場発願のお寺です。(ここから回りはじめなくても良いらしいです)昔の秩父札所番付では24番だったそうで当時は江戸からの参拝者の利便を優先した順番のようです。

縁起について
 播州書写山の性空上人は弟子の幻通に武蔵の秩父は観世音菩薩に縁深い地だから、秩父に行って教化せよと命じました、幻通は性空上人の命を奉じてこの地に至り妙典を読誦し里人を説き教え、人々を仏道に導きました。 性空上人がこの地のために四萬部読誦した供養を行い塚を築き秩父第一番の霊場にしたという起こりがあり四萬部寺の名は、この事に由来しているそうです。

四萬部寺境内案内図

四萬部寺境内案内図

四萬部寺境内の案内図、チェックポイントです。見過ごしたなんてことの無いように参考にしてください。

山門

山門
山門

山門の向かって右手には「秩父勝境永開和祥」の彫板、そして左手には「梵音新響第一霊場」がかけられています。納経所で販売されている「写真で見る秩父札所」の写真では、かけられている位置が反対になっていました。中央の扁額は誦法華経山と書かれています。

山門の右手には「日本百番観音霊場 秩父一番四萬部寺」と彫られた石碑が建てられています。
また、山門をくぐり抜けると左手に手水舎があります。

座禅石

四萬部寺の座禅石
座禅石

山門をくぐり抜けると左手に手水舎や座禅石があります。開山端山守的禅師ゆかりの座禅石。この石の上で座禅を組んで修行されたのですね。

功徳石と納経蔵

功徳石と納経堂

座禅石から先へ進むと功徳石があります。功徳石には梵字が彫られていて、これを手で回すことができます。回すことにより功徳(ご利益)が得られると言われています。

後ろ側には栃谷学校跡の碑があります。小学校があったみたいですね。

納経蔵

この寺の縁起に因んで、一般から募った写経四万部が納められているそうです。永代供養塔である[瑞雲合掌廟]は、お墓がなかったり後継者がいない、納骨できないなどの悩みに応えるために建立し供養できるようにしたそうです。

お里がえりのお釈迦様

四萬部寺お里がえりのお釈迦様
お釈迦様

このお釈迦様は経塚のご本尊として祀られていましたが、明治時代に突然行方不明になってしまったとか。70年後に銀座の美術展で発見されたのを買い戻し経塚を復元して安置したそうです。江戸中期に奉納されたときは9体が露座されていたそうですが、戦争時に8体は強制供出された為なくなりました。
70年の歳月を経て里帰りしたので、お里がえりのお釈迦様と名付けられたそうです。

十二支守本尊

十二支守本尊とお願い地蔵さま
十二支守本尊 とお願い地蔵さま

参道を進むと左手に十二支守本尊が安置されています。
生まれ歳にはそれぞれに守り本尊様があると言われ、この守り本尊様にお詣りすることによって災難を逃れ厄除開運、心身健康、良縁成就、合格必勝、交通安全等の諸願成就が得られると言われているそうです。お願地蔵を納めてお詣りしてくださいとあるのでそれぞれ手前にある小さいお地蔵さまはお願い地蔵のようです。
本尊の脇の木に数珠がたくさんかけられています。これはどういう意味なのか納経所で聞いてみましたところ納経所で販売していて、自分の守り本尊にお供えしているそうです。

千手観世音菩薩さま 子年生まれの御守本尊です。
虚空蔵菩薩さま 丑年・寅年生まれの御守本尊です。
文殊菩薩さま 卯年生まれの御守本尊です。獅子に乗ってます。
 お願い地蔵さまがひとりで可哀想だから、どなたか納めてほしい。
普賢菩薩さま 辰年・巳年生まれの御守本尊です。象に乗ってます。
 金色のお願い地蔵さまもあるんですね。
勢至菩薩さま 午年生まれの御守本尊です。
大日如来さま 未年・申年生まれの御守本尊です。智拳印を結んでいますね。
不動明王さま 酉年生まれの御守本尊です。
阿弥陀如来さま 戌年・亥年生まれの御守本尊です。

開闢かいびゃく供養の碑

開闢供養の碑
開闢供養の碑

十二支守本尊の後ろにある開闢供養の碑
丸い形の中に描かれている文字は「ありがたや 一巻ならぬ 法のはな 数は四萬部の 寺のいにしえ」のように見えます。


その下の文字は
百番□ 開闢供養 四萬部山 法華經塚
のようです。
□部分はツタのような草に覆われていてよく分かりませんでした。

鐘楼

平和の鐘

参道をさらに進んだ左手に平和の鐘があります。
この鐘には秩父郡市出身の英霊の名前を刻み供養して建立したそうです。

本堂(観音堂)

本堂(観音堂)
本堂(観音堂)

参道正面に本堂(観音堂)があります。入母屋造り千鳥破風付の風格のある建物です。正面の欄間左側には極楽之図が、右側には地獄之図の彫刻がありますので、これは見逃さないでください。

極楽之図・地獄之図

極楽之図

極楽之図
一番左に宮殿楼閣がありその右側に阿弥陀仏でしょうか。極楽には七宝の池があるようですが、それがあるのかよくわかりません。さらに右側はお地蔵様と賽の河原で子どもが石を積んでいるのでしょうか??? さらにその右側は鬼が窯ゆでしているように見えてしまう??? (そんな風に見えるって自分は地獄行きか?)
もしかして、これは右から左へと進むのでしょうか。地獄に落ちても地蔵菩薩さまが救済してくださり極楽へと導かれる。と私は解釈しました。

地獄之図
一番左にいるのは泰広王によって裁きをしているところでしょうか。その右が地獄の鬼が亡者を火炎車で連れていく様子かな? そこから右に行くと奪衣婆が服を取り上げ木にかけて罪の重さを計っている感じですね。さらにその右の方にいるのが閻魔大王が裁きをしているところでしょうか。

蝉の形の飾り金具

入口の扉についている蝉の装飾金具

堂内に入ると左手におびんずるさまがいます。撫でた個所が良くなると言われていますので私は頭を撫でました(笑) また、その左手奥にはおたすけ観音さまが安置されています。本尊・聖観世音菩薩さまは厨子に安置されています。

賓頭盧尊者

賓頭盧尊者さま
賓頭盧尊者さま

おたすけ観音様

おたすけ観音さま
おたすけ観音さま

天井には狩野常信の弟子、抱素斎休世常耀益之の龍の絵が描かれています。
(残念ですが、堂内は撮影禁止ですので、ぜひ現物を見に行ってください)

入口右手にはごりやく錫杖がありますので廻してみてください。

施食殿 他

施食殿

本堂右手に施食殿があります。
正面向かって右手には「存者福楽壽無窮」の表示が、左手には「亡者離苦生安養」の文字が掲げられています。
8月24日の大施餓鬼会は関東随一だそうです。

毎年8月24日に大施餓鬼の法供養を厳修するためのお堂で関東三大施餓鬼の一つに数えられているそうです。お施餓鬼をするためのお堂は全国でも珍しく中心の八角輪蔵は多くの僧侶の読経とともに回転させるそうです。お施餓鬼は先祖の霊、水子の霊のほか蚕の霊、家畜、犬猫などの霊を供養することでも有名とのことで、赤い大位牌に施主の氏名を書いて供養するそうです。

本堂と施食殿の間を進むと慈恵観音さまが安置されています。
観音様の台座には
「常ならず移ろひやまぬ三界に永久なる慈恵仰がむとする みほとけの慈悲の袂にすがりつつ歩みあゆみて古稀過ぎにけり」清野林次郎詠 と彫られています。

本堂の裏手に水子地蔵身代わり供養があります。

庫裏

庫裏
庫裏

山門をくぐって右手にあります。
屋根の鬼瓦が特徴的で一番と四萬部の文字が見れます。

一番鬼瓦
鬼瓦

納経所

庫裏と施食殿の間に納経所があります。
こちらで御朱印を戴いたり、札所巡りに必要なものなど購入することができます。

巡礼用品
巡礼用品
巡礼用品
巡礼用品
巡礼用品
巡礼用品

旅籠一番

旅籠一番

道路を挟んで反対側にあるお宿です。

観音霊験記と御朱印

秩父三千女は秩父宮側のちょうちん屋の女将が奉納したものだそうです。

幻通比丘
寛弘四年三月十三日 性空上人の弟子幻通が霊鳥のお告げで四万部の経典を読誦して供養し寺号は四万部寺といへり

墨書き 誦経山 大非殿 四萬部寺
三宝印 佛法僧寶
発願の印が押されてます。

寺院情報

宗派曹洞宗
山号誦経山ずきょうさん
寺院名四萬部寺しまぶじ
御本尊聖観世音菩薩
聖観音御真言おん あろりきゃ そわか
御詠歌ありがたや 一巻ひとまきならぬ のりのはな かず四萬部しまぶの てらのいにしえ
行事8月24日 大施餓鬼会
住所埼玉県秩父市栃谷418 (地図を開きます)
電話0494-22-4525
公式HPhttps://www.shimabuji.com/

駐車場

駐車場

お手洗い

お手洗い

休憩所

縁側も自由にお使いくださいと書かれています。うれしいですね。

ちょっと紹介が多くなりすぎ重かったと思いますが、ご覧いただきありがとうございました(´︶` )

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