東三十三観音札所は札所第八番医光寺の第四十四世「覚雄法印」により定められたそうです。
札所は黒保根町・東町・大間々町・笠懸町・新里町に点在しています。
掲載した御詠歌は「上州の観音札所」内山信次氏の本より引用しました。
医光寺の元文元年の文書によると順拝順は、1番-25番-23番-5番-4番-8番-7番-24番-19番-17番-26番-28番-16番-30番-3番-13番-31番-18番-32番-22番-11番-21番-33番-9番-12番-29番-6番-14番-15番-20番-2番-27番-10番となっているそうです。
東三十三観音札所は関西の西国33観音札所をうつしたもので、一つひとつが西国三十三所に対応しているそうです。16番と25番は寺院名が同一ですが、他は対応する根拠が不明です。
札所一番 常鑑寺



常鑑寺の参道は登り坂の途中にありますが、駐車場はその先を進み左に折り返すように進んだところにあります。
この寺院は梵鐘が県指定重要文化財となっています。
堂内の彫刻は見事で、ご住職が詳しく説明してくださいました。
またこちらの札所の御朱印はもちろんのこと、十番龍禅寺の御朱印もこちらでいただくことができます。
他にも「わたらせ慈母観音」「あかがね七福神・寿老人」の御朱印も扱っています。
寺院(札所)名 | 赤城山 感心院 常鑑寺 |
札所御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御真言 | オン・アロリキヤ・ソワカ |
御詠歌 | 思ふとち 出る日影も 赤城山 みのりの道に 旅よそいして |
住所 | 桐生市黒保根町水沼325-22 |
電話 | 0277-96-2808 |
札所二番 正光寺跡


正光寺跡と言われている場所です。
五輪塔や僧侶のものと思われる卵塔などがあります。
墓地はかなり広く、六合神社への参道脇にも古い墓石があります。
寺院(札所)名 | 正光寺(廃寺) 正円寺に合併 |
札所御本尊 | 千手観世音菩薩 |
御真言 | オン・バザラ・タラマ・キリク |
御詠歌 | この寺に 一夜やどりを すが原の 神もみのりの 道まもるなり |
住所 | みどり市大間々町上神梅 |
電話 | – |
札所三番 洞源寺跡


洞源寺跡は草木湖ぞいにある、みかげ原展望地から道路を挟んで反対側に位置します。
跡地には五輪塔や石仏、卵塔が佇んでいます。
寺院(札所)名 | 洞源寺(廃寺) |
札所御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
御真言 | オン・ロケイジンバラ・キリク・ソワカ |
御詠歌 | 草も木も 仏ときけば 法ならぬ 声こそなけれ 峯の松風 |
住所 | みどり市東町草木 |
電話 | – |
札所四番 源正寺跡


道路わきに佇む石仏は庚申塔・百番供養塔・青面金剛・二十二夜供養塔・馬頭観音などです。
これらの石仏の左の方から山へ向かって参道があったのかもしれません。
石仏を通り過ぎてから左の山に入っていく荒れた道を進み、寺院跡にたどり着くまでの途中近くでガサガサ音がしたので焦りました。たぶんイノシシだと思いますが、熊だったら逃げようがありません。
ドキドキしながらそのまま進むと山の平になっているところに墓石群がありました。
東日本大震災の影響か、倒れてしまったりずれてしまったりしていますが、どなたかが管理されているのでしょう竹が切られていてここだけ開けた感じになっていました。
ちなみにこの山は山柴さんの所有ということで、入山前に許可をいただきました。
源正寺跡へは、石仏のある道より手前の斜めに戻るようになっている道を進み、住宅の裏から進む道を利用すると楽に行けます。(ただし私有地を通過するかもしれませんので家の方に断った方が良いと思います)
寺院(札所)名 | 源正寺(廃寺) 医王寺に合併 |
札所御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御真言 | オン・アロリキヤ・ソワカ |
御詠歌 | 山寺の 友とこそ聞け よしあしを 語る人より ましらなく声 |
住所 | 桐生市黒保根町下田沢鹿角 |
電話 | – |
札所五番 吉祥寺跡


吉祥寺は源正寺に合併され跡地は学校となり、その後公民館となりました。
残っているのは石仏と宝暦12年、阿遮梨耶法印良海の五輪塔だけです。
寺院(札所)名 | 吉祥寺(廃寺) 源正寺に合併 |
札所御本尊 | 馬頭観世音菩薩 |
御真言 | オン・アミリトドバン・ウン・パッタ・ソワカ |
御詠歌 | ついに行く 道ひとすじの 願ひもて 見る人おほき 滝のしらひと |
住所 | 桐生市黒保根町下田沢柏山 |
電話 | – |
札所六番 長円寺


長円寺観音堂ははーとふるチハヤの敷地内にある市指定天然記念物「かやの木」の隣にあります。
参道右には庚申塔・大黒天・馬頭観音・廿二夜・観音菩薩等が、左側には庚申塔・馬頭観音・地蔵菩薩・百番供養塔などが残っています。
堂内は、中央に聖観音菩薩、左に釈迦如来といなばの白兎の絵馬・右には三界萬霊や位牌が置かれています。

観音堂の隣には阿弥陀三尊があります。
地元の天神山産凝灰岩を素材として、南北朝時代に造られた一尊一基の阿弥陀三尊石仏です。江戸時代の初め、長円寺の西方約100m程の所から掘り出されたもので、地元民はこの地にお堂を建てて祀り、 江戸時代を通して生薬師として信仰されていました。やがて信仰が薄らぐとともに訪れる人もなくなり、昭和の初めに当時の長円寺住職が境内に安置したものと伝わります。
江戸時代に地元民から生薬師として信仰されていた石仏は、阿弥陀如来であったと考えられます。光背の上部は欠けてありませんが、全体の形状は半肉彫坐像で両手を膝の上で交差させ、阿弥陀定印という手印を結んでいます。 また、観世音菩薩と勢至菩薩も同じく船形の半肉彫座像ですが、観世音菩薩はほとんど原形をとどめていません。(案内板より一部抜粋)
寺院(札所)名 | 長円寺 観音堂 |
札所御本尊 | 聖観世音菩薩 |
御真言 | オン・アロリキヤ・ソワカ |
御詠歌 | 法の道 願とならば 勤めても 心はながく まどかなるべし |
住所 | みどり市笠懸町鹿 |
電話 | – |
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