曹源寺さざえ堂について
曹源寺さざえ堂は日本三さざえ堂のひとつです。
祥寿山曹源寺は、新田氏の始祖義重が、養姫である祥寿姫の菩提を弔うために建立した寺と伝えられています。(曹源寺栄螺堂由緒)
栄螺堂とは、江戸にあった羅漢寺の僧象先が百観音を一堂に納める堂宇として考案した建物であり、 曹源寺栄螺堂も羅漢寺三匝堂の構造を継承しています。
曹源寺栄螺堂は、一階に秩父三十四札所、二階に坂東三十三札所、三階に西国三十三札所の写し観音像を祀り、各階を右廻りの一方通行で巡拝することができる内部構造をもっています。これは、右繞三匝と言われる古いインドの礼拝の形式です。
大勢の人が入り交じることなく参拝できるように考えられた構造や最上階で周囲を眺望することができるなど、行楽のことまで考えられており、江戸時代の庶民による観音信仰の様子を伝える寺院建築として歴史的価値の高い建物です。
建物の年代は、寛政十年(1798)の建立と推定されます。(曹源寺栄螺堂由緒)
現在、全国に六棟の栄螺堂が現存していますが、曹源寺栄螺堂は最大規模で最古級の建物として重要です。(案内板より)
曹源寺案内図
仁王門の左右には干支の石柱が建っています。左には子丑寅卯辰酉が、右には巳午未申戌亥がいます。
仁王門をくぐると参道より左に鐘楼・十三重の塔・手水舎・阿弥陀如来像。右側には仏足石があります。
御砂踏参道
さざえ堂の御砂踏参道の踏石は、西国坂東秩父百観音霊場より御砂をいただき、参道踏み石の下に納めてあります。御砂踏参道を踏めば百観音霊場を順拝したのと同じ功徳が得られます。
西国1番から坂東・秩父の順に左右2列に並んでいます。
さざえ堂外観
さざえ堂正面左上の天井部には、イギリス国製水上機用、中島飛行機製作所で使用のプロペラが置かれています。
さざえ堂1階
堂内入口より入ると右側(順拝して最後になる場所)には、布袋尊と子育て観世音があります。
中央には本尊の魚籃観音が安置されています。この本尊のところは撮影禁止となっています。
魚籃観音の周りには、秩父1番から16番の観音さまが鎮座しています。
その左奥には納経受付所があります。
さらに進むと左側には曹源寺出土板碑があります。上部を欠失していますが、高さ108cc、幅35cmの 大きさです。欠失部分に、阿弥陀如来の種子が刻まれていたと推測されその下に観音菩薩、勢至菩薩の種子が刻まれます。 造立年代は建治2年(1276)で、十七人講中を結び造立したものです。二月の異名である中春と書かれていますが、正しくは仲春でイ編を略したものです。(案内板より)
1階から2階へ進むところにある太鼓橋。左側には2階から1階へ戻ってくる通路が見えます。
順拝の最後になる子育観世音と大黒天。
さざえ堂2階
右の壁側に坂東1番から6番の観音さま。正面に坂東7番から10番と中央には阿弥陀如来。左の壁側には坂東11番から16番の観音様が安置されています。
坂東の観音様の上部には各御詠歌が書かれています。
坂東17番から25番の観音様
外側は3階から1階へ戻る通路、内側は2階の観音様を順拝する通路です。
2階から3階へ進む階段と石仏群。右側は坂東26番から33番の観音様。
1階から2階へ登りきったところの右側にあるさざえ堂建立時に使用の瓦等。
さざえ堂3階
西国1番から20番、中央には十一面観世音が安置されています。
3階は小屋組みの木が良く見えます。
西国21番から33番、一番最後には百番回向佛「勢至菩薩」が鎮座しています。
西国33観音の次には聖徳太子像・地蔵菩薩像・不動明王像が安置されています。
その先正面を右手に見ながら急な階段を下りて1階へ向かいます。
御朱印
日本三堂
上州国曹源寺さざえ堂
上毛新田古□今泉祥壽山曹源寺
□□當堂本尊銃子三尊彌陀佛勢至観音何□僧都□□日本三體御佛也古武将義國公御護本尊義重公御奉納故寛政之頃□□榮螺堂給
アクセス
寺院情報
宗派 | 曹洞宗 |
山号 | 祥寿山 |
寺院名 | 曹源寺 |
御本尊 | 魚籃観音 |
拝観料 | 大人300円 |
住所 | 群馬県太田市東今泉町165 |
電話 | 0276-25-1343 |
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