秩父札所四番 金昌寺を訪ねて

金昌寺に初めて訪れると、入口の仁王門に掲げられている大きなわらじに圧倒されるとともに巡礼の聖地を感じます。
とにかく石仏がとてつもなくたくさんあります。その数なんと1319体とのことですが、全部見て回ることなんてできないかもしれませんが、所々によく知られている石仏もありますので気にかけながら巡礼してみてください。

隠れキリシタンを意味する

慈母観音の台座の後ろ側に彫刻されているカエルです。見返る、御カエルなどキリスト教における大天使の一人ミカエルを意味しているのではということより隠れキリシタンかも?という説があるようです。

金昌寺きんしょうじチェックポイント

御朱印目的だけで訪れると見ておきたいところに気付かず帰ってしまいます。
金昌寺で是非見てほしい場所や建物をリストアップしましたので拝観の参考にしてください。

金昌寺について

金昌寺は秩父札所中最大の仁王門と羅漢・如来・菩薩をはじめとする1319体の石仏群は県指定文化財です。本堂は唐風建築で江戸中期のつくりとのことです。
本尊は十一面観世音立像で室町時代、行基の作と言われているそうです。
縁起について
その昔、この地に荒木丹下という怪貧者あり、ある日旅の巡礼、食を乞いしところ神国の米を仏に供するいわれはないと打ちいためれば娘は、「人は神の末なり妾もまた人なるを踏みたたくは神を踏むに同じなり、神は皇親の心を教え、仏は自他平等を説かれたり」とねんごろに説けばついに丹下志を改め、自ら入道となり本尊供養に専心したという縁起があります。

金昌寺境内案内図

境内案内図

金昌寺境内の案内図、チェックポイントです。だいたいの位置を図にしてみました。どこにあるのかわからない、見過ごしたなんてことの無いように作りましたので参考にしてください

仁王門

秩父札所4番金昌寺
仁王門

正面左には秩父札所四番石佛群の石塔とその左手には六地蔵さまがお出迎えしています。

大きなわらじがインパクトありますね。これだけでもこのお寺を印象づけます。よく見ると小さなわらじ(普通のわらじ)も掛けてあります。左右には仁王様が安置されています。

仁王門をくぐり抜けて反対側から見ると、二階にはたくさんの五百羅漢さまがいらっしゃるのに気づきました。
扁額には常念佛堂、西國卅三所観世音、浄宗檀林蓮替寺□純書と書いてあるみたいです。□部分は不明。

手水鉢

手水所

仁王門を過ぎて石段の右に手水所があります。花が添えられきれいにされています。
こちらで身体と心を清めます。

十一面観音菩薩像・ 酒呑地蔵(禁酒地蔵)

こちらの仏像は、案内看板などが見当たらないため名称がわかりませんでした。ほかのサイトを見ると禁酒地蔵などとあります。離れて見るとわかりませんでしたが、近くに行くと徳利持ってました。お酒を取り上げたのでしょうか?
他にはこちらの石仏を十一面観音と紹介しているサイトもあるのですが、よくよく考えると左手に持っているのは徳利ではなく十一面観音がもつ花瓶のようですね。
写真で見る秩父札所(四萬部寺で買ったもの)に最大の十一面観音という紹介がありました。

こちらは酒呑地蔵です。酒樽の上に載っているのでしょうか。盃を左手で上にかぶり右手で徳利を持っています。こちらを禁酒地蔵とも言っているようです。
この地の名主さんが、お酒の上で失敗したことから、「もう酒は呑みません。」と代官の前で誓ったことに由来しているとか。ところでこの石仏の正しい名前は何でしょう。 酒呑地蔵? 禁酒地蔵? 徳利地蔵? そもそもお地蔵さまなのでしょうか?

石仏群

石仏群

石仏群の中に大きい石仏がいくつかあります。
よく見ると阿弥陀如来さまや大日如来さまなどです。

亀之子地蔵尊

亀之子地蔵尊

亀の子地蔵と呼ばれているようですが、左手前の石碑には亀甲地蔵尊堂と刻まれているようです。亀甲地蔵をかめこう地蔵と読み、その後かめのこ地蔵と変化したのではないかと推測します。
台座の下部に亀が彫刻されています。右側にある石碑の下に小さなお地蔵さまでしょうか? たくさんいます。
台座には「十方三世一切佛」「六親眷属 三界萬霊等 七世父母」「観世音菩薩 南無阿彌陀佛 大勢至菩薩」「江戸横山町二丁目 丹波屋五良兵衛」と刻まれています。
正面から撮影

観音堂

観音堂

観音堂正面には「施無畏」の文字の扁額や上段の青い文字の御詠歌の額が飾られています。
あらたか尓 満い里て 於がむ かんぜ おん
二世あん らく登 堂れ毛 いのらん

この観音堂は宝永6年建立だそうです。

壁面には笙を吹く姿の天女の彫刻や迦陵頻伽かりょうびんがの彫刻 (上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物) 麒麟? 孔雀 鳳凰 などいろいろな彫刻を見ることができます。

また、正面右手に石仏がありますが、紹介している看板などが無いので、いろいろ調べてみますと 奪衣婆と紹介しているサイトをいくつか見ました。確かに手にはぎ取った服を持っている感じですね。

慈母観音

慈母観音
慈母観音

寄進者の吉野屋半左衛門が、金昌寺のご本尊の霊験で子を授かったのですが、その後、妻と子をあいついで失ったため、生前の母子の姿を浮世絵師に下絵をかかせて建立・供養した仏像だそうです。
膝に抱く赤子に乳房をふくませようとする姿はやさしさで満ち溢れています。
マリア観音とも呼ぶらしいです。
上部には慈母観音の絵と子育観音の詩が飾られています。

六角堂から奥の院へ

観音堂右に奥の院への案内板があります。

六角堂
六角堂

緩やかな石段を登ると六角堂が見えてきます。六角堂内には江戸時代作の寄木造りの役行者像や十六大善神がまつられています。

六角堂を過ぎて奥の院へ続く道は静寂に包まれ、至る所に石仏があります。

奥の院 岩屋

奥の院 岩屋には、弘法大使像が祀られています。

観音霊験記と御朱印

荒木丹下
悪人荒木丹下を観世音菩薩が娘巡礼に身を変えて
改心させ大善人とならしめた不思議な霊験なり

墨書き 高谷山 新木大非殿 金昌寺
三宝印 佛法僧寶

寺院情報

宗派曹洞宗
山号高谷山
寺院名金昌寺
御本尊十一面観世音菩薩
十一面観音御真言おん まか きゃろにきゃ そわか
御詠歌あらたかに まいりておがむ かん世音 二世安楽と 誰も祈らん
住所埼玉県秩父市山田1803
電話0494-23-1758

駐車場

駐車場

お手洗い

お手洗い

駐車場の隅にあるお手洗い。駐車場内にあるのって利用しやすくていいですね。

休憩所・納経所

金昌寺へ初めて訪れたとき仁王門を見て凄いお寺だなと感じました。石仏も今まで見たことのない多さで圧巻です。奥の院については入口の看板はあるのですが、どこなのかかなり迷いました。すぐ出てきた六角堂を見まわしたり、その先の墓地の階段を上がったりしましたが、このページをまとめるにあたりその先のところだとはっきりしました。
初めて訪れる方の参考になれば幸いです。

コメント