西光寺

秩父札所十六番 西光寺

西光寺には、準四國八十八佛特別霊場の回廊堂があり、この回廊を巡ると、四国八十八箇所を巡るのと同等の功徳が得られ、観音様の功徳と併せて弘法大師のご利益も得られるといわれています。
2回目に訪れたのがちょうど4月10日で金毘羅祭の準備をしていました。

山門の柱 弘法大師特別霊場

西光寺さいこうじについて

 ある僧の前に突然老婆があらわれ、過去をざんげして霊験あらかな観音像を導くから私の冥福を祈ってほしいと懇願して姿を消したそうです。僧が老婆の菩提を弔うことによって本尊の観音像を安置することができたといいます。

関東八十八か所特別霊場の西光寺
天明三年浅間山の大噴火は人々に甚大な被害を与える
それより十年の歳月世情不安を鎮めむと寛政七年この準四国八十八仏回廊堂は完成した
依頼二百年余平成に至り関東にも大師八十八か所霊場が開創されるにあたりその由緒により特別霊場に指定された (案内板より)

 このお堂は、もともとは寺の南側の現在、墓地となっている辺りにあり、享保年間にこの場所に移転し、もとは「大中山満福寺」という寺に併合したものと、古文書、半鐘銘、石灯籠の刻字、道標等から裏付けられます。
 更に遡ると、このお堂は長享2年の古番付(法性寺蔵)よると現24番が12、西光寺13、現23番が14となっていて巡拝路の合理性、「無量山」という山号、円通伝の「此尊ハ往古、他郡ニ有リシガ云々」の記述等から23番と24番の中間、現在の大字別所辺にあったのではないかと思われます。
 そして、この地に移して16番とした事は、とりもなおさず現在の34ケ所、ひいては日本百観音の成立という大変重要な意味を持つこととなります。それは江戸の時代へ向かう潮流の一つであったのではないかと思われます。果たして、江戸期に入り元禄頃になると多くの秩父の札所観音堂が江戸庶民の指示を得て改修築されます。16番本尊は後に現本堂に移され、お堂は「札堂」として残されます。
 即ち、このお堂は長享番付当時の唯一最古の観音堂の遺構と思われます。お堂に残されている種々の造作の跡から元来の姿と種々変遷を経た事が想像されます。又、堂内より元禄、享保等の紀年を有する多くの納札が発見され、その納札を打ち付けた柱の無数の釘跡が歴史を感じさせます。(教育委員会案内板より)

西光寺の見どころ

西光寺境内案内図

境内案内図

山門

山門

山門入口左手にある案内板には「秩父札所十六番 弘法大師関東八十八ケ所特別霊場 江戸期の建立であり当時の匠の技が随処に伺える均斉のとれた山門です」とあります。
前回立ち寄った時は山門右側に見たことのないお札のような案内のようなものが掲示されていました。

六地蔵

六地蔵

地獄道の苦は殺生による、餓鬼道は偸盗による、畜生道は邪婬による、修羅道はいつも人間道をはさんで天上道とたたかう、
人間はその行為によりこの六道を廻る、六地藏尊は善行を勧めている、生きものを大切に、物を貧らずに、お互いを敬って、そして真心を持て…と

六地蔵尊は右から
地獄道 禅林地蔵菩薩さま 錫杖を持っています。錫杖で無用な殺生を防いでくれます。
餓鬼道 無二地蔵菩薩さま 宝珠を持っています。
畜生道 護讃地蔵菩薩さま 大きな数珠を持っています。
修羅道 諸龍地蔵菩薩さま 合掌のお姿です。
人間道 伏勝地蔵菩薩さま 香炉を持っています。
天上道 伏息地蔵菩薩さま 幢幡(仏堂に飾る旗)を持っています。
の順に並んでいます。

酒樽大黒天と山車の車輪

山車の車輪

酒樽大黒天のそばにある車輪は秩父夜祭りの山車の車輪です。厳冬の一日だけの祭りに曳かれる山車の古い車輪です。

酒樽大黒天

中には千社札がびっしり貼り付けられ入口付近はたくさんの名刺が挟み込まれていました。次訪れるときは私も名刺を持参しようと思います。

酒樽大黒天の由来
酒蔵奥深く仕込樽として大正年間に作られし樽、時代と共に使用しなくなりたるを昭和四十年代、茶室として造りしが偶々大黒天を祀りしところ招福の御利益ありと多くの参詣を集め、願をかけ名刺を残すという他に例の無い酒樽大黒天となりける、
因みにこの樽は三十石樽といい一日三合三十年分入ると言う
案内板より

金毘羅大権現

金毘羅大権現

札堂

札堂
札を打ち付けた跡

秩父札所の最古の遺構。多くの巡礼者の納札の釘跡が残っています。
左側には摩訶般若波羅密多心経が書かれた額があります。こちらのは読んでわかりやすくした内容です。

筆子塚

筆子塚

五輪塔は江戸から明治にかけて当寺で寺子屋が開かれ、その門弟たち(筆子)により師匠の(十四世了道顕彰)為に立てられたそうです。

本堂

西光寺
本堂正面

堂内は撮影禁止なので写真での紹介できませんが、欄間中央に釈迦涅槃の彫刻があります。また、その右側の彫刻も見事です。
内部中央に葵の紋があり三方の壁には天女の図があり、天井には草花・鳥・虎の絵が描かれています。また、千匹猿がたくさん吊り下げられている。

弘法大師像と仏足石

弘法大師像と仏足石

弘法大師像の台に鐘があり鳴らすことができます。左側には釈迦牟尼仏足跡があります。

回廊堂

回廊堂

回廊堂には四国八十八か所霊場のご本尊さまの模刻が並び、回廊を巡ることにより四国八十八箇所を巡るのと同等の功徳が得られ、観音様の功徳と弘法大師のご利益も得られるといわれています。
入口には「弘法大師 準四国八十八佛 特別霊場」の額がかけられています
一番多いのは薬師如来さまです。以下詳細です。

  • 釈迦如来 5体
  • 阿弥陀如来 9体
  • 大日如来 6体
  • 勝軍地蔵菩薩 1体
  • 薬師如来 23体
  • 千手観世音 10体
  • 虚空蔵菩薩 3体
  • 十一面観世音 11体
  • 弥勒菩薩 1体
  • 延命地蔵菩薩 2体
  • 地蔵菩薩 2体
  • 文殊菩薩 1体
  • 不動明王 4体
  • 大通智勝佛 1体
  • 毘沙門天 1体
  • 聖観世音 4体
  • 馬頭観世音 1体
  • 十一面千手観世音 1体
  • 千手千眼観世音 1体

観音霊験記と御朱印

観音霊験記 圓比丘

圓比丘
當寺の住僧圓比丘は一夜月を感じ見居るおり草むらより幽然と姿があらわれ私の冥福を祈ってほしいと懇願し姿を消した幽魂の導きに依り霊像来りしが今の御本尊なり

御朱印

三墨書き 無量山 梵字キリーク+千手尊 西光寺
宝印 円に梵字のキリーク

重ね印を戴くにあたり小銭の持ち合わせがなく千円札を恐縮しながら出したところ、釣銭をすべて100円玉にしてくれました。
おかげさまで次の寺院では釣銭の無いように出すことができました。
ありがたいです。

寺院情報

宗派真言宗豊山派
山号無量山
寺院名西光寺
御本尊千手観世音菩薩
御真言おん ばざら たらま きりく
御詠歌さいこうじ ちかいを人に 尋ぬれば ついのすみかは 西とこそきけ
住所埼玉県秩父市中村町4-8-21
電話0494-22-4444

駐車場

駐車場

お手洗い

トイレ

休憩所

休憩スペース

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