浮島観音堂は吹割の滝の北にある浮島橋を渡ったところにあります。
浮島観音堂
浮島如意輪観音の由来
中央上段の木彫り(金箔塗り)の観音像が浮島如意輪観音です。この観音像は古くから名匠左甚五郎の作と伝えられてきました。
左甚五郎は、寛永時代の日光東照宮の大造営に添棟梁(彫刻の棟梁)として加わり、あの有名な眠り猫をはじめ数千の彫刻を完成させたといわれています。その頃左甚五郎がこの地方を訪れたという来村説では、時期がはっきりしていませんが、東照宮の完成(1636年)後甚五郎は何度目かの帰りに遊山かたがた金精峠を越えてこの村を通り追貝宿に一泊してこの観音像を彫ったものと思われます。(左甚五郎一夜の作)といわれています。
これを裏付けするように、近年隣の片品村でも立派な恵比寿様の木像と大黒様の墨絵が見つかりその墨絵には正保二年( 1645年)左甚五郎と署名があって、現在東小川の千明美術館に展示されています。
ご覧のとおり上品で柔和な顔立ちといい、調和のとれた美しいお姿といい、正に名匠甚五郎ならではの観音像であります。
現在この観音像は金箔塗りとなっていますがもとのお姿は白木彫りでした。ところが明治26年或る者がこの観音像を前橋の石丸という塗師の家へ持参して金箔塗りを依頼したまま、その後いっこうに受取りに表れず、とうとう昭和27年まで石丸家に大事に保管されていました。
その間昭和20年8月5日の前橋大空襲の際には石丸家も全焼しましたが、その寸前に奥さんが大切な家紋と一緒に観音像をリヤカーで運び出して間一髪で焼失をまぬがれました。そして同年3月大勢の人達に迎えられて村へ帰ってきたときは、白木の筈の観音像が金箔塗りのお姿に変わっていたのです。以後追貝の海蔵寺に仮安置されていましたが浮島橋の開通の日平成2年4月26日、ようやく96年ぶりでここに安置されました。(案内板より)
堂内左の壁面には古い額が掲げられていて「大巡?西国坂東秩父沼田 南無観世音菩□ 百丗三所順礼□」と書かれています。□は略字のようなので判読できませんでした。
正面には浮島如意輪観音さま・向かって左側には浮島弁天さま・向かって右側には波切不動尊さらに右下には滝見観音が鎮座しています。
アクセス
境内案内図
札所情報
堂名 | 浮島観音堂 |
寺院名 | – |
御本尊 | 如意輪観世音菩薩 |
御真言 | オン・ハンドマ・シンダマニ・ジンバラ・ウン |
御詠歌 | ながれくる 糸の小澤に つながれて 浮きたる島も 流れざるもの なかれくる いとのを沢に つなかれて うきたる島も なかれさるもの |
住所 | 沼田市利根町追貝 |
電話 | – |
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